徳島県の貞光駅から少々歩いた場所に、中央商店街、南中町商店街がある。
特に南中町商店街には二層のうだつがあり、全国的にも珍しい街並みが見られる。
国道192号の旧道沿いではなく、剣山方面へ続く国道438号の旧道沿いに商家が並んでいる。
付近に広がる山々
ここつるぎ町は徳島の山々に囲まれた町である。
空気が澄んでいて清々しい空気感
中央商店街
まずはメイン商店街の中央商店街を紹介
街路灯
中央商店街の街路灯は、細い曲線鉄棒に下向きのボックス型の灯器がついているタイプ。
最後のはもはやレトロすぎてなんなのかわからなかった‥
旧永井家在屋屋敷
商店
商店街脇の風景
補欠の瓦もあちこちで見かける
うだつについて
卯建(うだつ)とは、隣家との延焼防止のために建てられた防火壁のことです。
昔は、町屋が隣り合って連続して建てられている場合に、隣家からの火事が燃え移ってくるのを防ぐために設置されました。
江戸時代中期頃になると、装飾的な意味合いが強くなり、そういうアピールとして置かれるようになったとのこと。
「卯建(うだつ)」は表し方が色々あるそうで「梲」「棁」と表したりする。
卯建に「卯」の字が使われているのは、以下のような理由があるらしい。
- 卯の字型に張り出した小屋根の形
- 卯(うさぎ)の耳のような形
- 卯(うさぎ)には神話で火を鎮める力がある
特筆すべき、貞光のうだつは「二層うだつ」と呼ばれ、全国的にも珍しい。
二層うだつ
大鬼、鬼瓦など
この貞光では、鬼瓦や大鬼と呼ばれる屋根の上を飾る装飾が沢山見られる
古い建物の屋根にはとりあえず鬼瓦くんがいるので、沖縄のシーサーばりに探してみるのもいいだろう。
これは鬼瓦ではなく、鯉瓦かな?(名前は不明)
南中町商店街
中央商店街をすぎると南町商店街に着く
どちらかというと二層うだつを見にきたのなら、ここが本番である。
先に掲載した二層うだつもここで見られる風景だ。
街路灯
南中町商店街の街路灯も中央商店街と同じもの。
商店
県道126号の風景
貞光駅を降りると、県道126号の風景が広がる
赤や茶色のペンキがしたたるとこういう見た目になる、こういう感じがホラー感を増しているんだろうね。
駅から右に県道126号を進んでいくと、廃墟が立ち並び、建物が自然へと帰っていく風景を堪能できる。
貞光劇場
国道126号を歩いていると、すでに休館してしまっている貞光劇場がある。
このレトログリーンが田舎ののどかな風景で非常に目立ち、なんだここは!?という驚きがある。
当時のポスターもそのまま掲載されています。
映画館に井戸!?
大南町商店街(商店街か不明)
今回は散策していない、Googlemapを見る限り、自然が周辺に増え、
街並みも廃れ感が増している印象。
うだつもちらほら見られるが、どちらかというと廃墟ファンは必見の街並み。
所感
これだけの見事な街並みなのに、重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)には指定されてないというこの町は、あまり観光としてくるような雰囲気ではないものの実際行ってみると歴史を感じる建物の数々に、ついつい目を奪われ、足を止めてしまう。
うだつの街並み(南中町商店街)も必見だが、その周辺の廃墟化している街並みも、静かながらとてもレトロな魅力を放っている。
今後風化し取り壊されてしまう前に、是非とも一見いただきたい場所である。